店主より

「手彫り」?「手仕上げ」?「機械彫り」?

最近、印章店の広告に「手彫り」「手仕上げ」などの文字を見かけることが多くなりました。(社)全日本印章業協会によると、「手彫り」とは「機械を一切使わない」製法、「手仕上げ」とは「工程の一部に機械を使うが人の手で仕上げる」製法と定義されています。しかし、この表示は必ずしもお客様にとって親切なものではないかもしれません。

「手彫り」は確かに技術を持った職人にしかできない製法ですが、非常に機械の進化した現在、全くそれを利用せず、すべてを手作業で行うことは、いささか非合理的とも思えます。機械はスピードと正確性では人間をはるかにしのぎ、何よりも、製作コストを下げる事ができます。例えば、確かな技術を持った職人が「あら彫り」の工程の一部に機械を使えば、「手彫り」とほぼ同品質の(見分けのつかない)ものが、「手彫り」よりもずっと低価格でお客様に提供できるのです。また「手彫り」は、手作りであるがゆえに、その仕上がりの美しさは職人の腕に大きく左右されます。場合によっては、「手仕上げ」よりも質が悪くて価格が高くなってしまっている可能性もあります。

それでは「手仕上げ」が最も安くて良い物かというと、この表現はとてもあいまいで注意が必要です。「工程の一部に機械を使う」の「工程の一部」がどの部分にどれくらいなのかが分かりません。極端な話、全く印章製作の訓練を受けていない人が、機械任せで彫り、最後に少し彫刻刀で削りカスを出すだけでも、「手仕上げ」と言って間違いにはならないことになってしまいます。(極端ですが)

結論として、「手彫り」は「職人の腕に左右され、割高なもの」、「手仕上げ」は物によっては「腕の良い職人の手彫り並みの高品質でありながら低価格」であるものから「機械彫り程度の品質」のものまで幅広く存在し得る事になります。もちろん、最初から「安ければ質は悪くても構わない」と考えるお客様もいらっしゃると思います。そのようなお客様にとっては、かえって「機械任せの安価な」商品はそのニーズに応えていると言えるのかもしれません。選択をするのはお客様です。

当店では、「品質を落とさずできるだけお求めやすい印章を」お客様にお届けするため、原則として「手仕上げ」の形をとっております。ですが、ほとんど「機械彫り」のような安売り品とは質が違うという自信があります。もちろん、印章にはデザイン的要素もありますので、お好みによっては、当店の文字入れが気に入らないなどということはあるでしょう。しかし、そうでなければ、お客様の信頼を裏切るようなことは決してありません。もちろん、高額であっても「手彫り」をご希望されるお客様には「手彫り」のご注文も承ります。

当店には、そのような商品をお探しの方に是非ご来店していただきたいと思います。一文字一文字、お客様を思い浮かべながら、心を込めて彫刻させていただきます。

※ はんこの価格店舗紹介もどうぞご覧ください。


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